2005年09月18日
京都サンボア
京都市中京区寺町通三条下ル桜之町 075-221-2811
ここは、業界の人ならば知らぬ人はいないという老舗中の老舗である。
いろいろと、系譜があるらしいが今回は京都サンボアについて述べる。
まず、門構えからして違う。
周囲は近代化された商店街だが、ここだけが時間が止まった感じだ。
ドアを開けたらさらにこの意を深くする。
決して真似することの出来ない風格がここにはあるのだ。
使い込まれた調度類に、壁の上の方に、かけられた栓抜きの数々には圧倒される。照明や掛け時計なども時代の年輪を感じさせる。
10人も座れば満員といったカウンターには、手前に手すりのようなものがつけられている。理由はこうだ。
カウンターはとても神聖なもので汚してはいけない領域なのだ。
肘をつくなんてのは、もってのほかだ。
(カウンターが壊れるからという串揚げ屋とは本質的には異なるのだ。)
また、カウンターを汚さないためには、ごみを床に落とすのも許される。むしろ、マナーである。殻つきピーナッツが代表的だが、慣れないと出来ない芸当だ。
今回のつまみは、塩ゆでピーナッツであったから必要はなかったが・・・。
注文したバーボンもモルトも、ダブルであった。グラスに注ぐ時に、軽量するなんてまどろっこしいことはない。あくまでも、目分量である。
潔い飲み方が出来た。
マスターは、あまり客の話に深入りすることはなく、ポーカーフェイスを押し通した。しかし、帰るときには挨拶はした。
このあたりが、絶妙の客との距離感なのであろう。
永久に受け継がれるであろう伝統の重みを感じることの出来るバーの名店であった。