2006年10月31日
社長忍法帳
駅前シリーズを見てからというもの、すっかり森繁久弥に魅せられた。
それまでは、喜劇人と言えば、渥美清一辺倒であったのだが、彼の演技で、目からうろこが落ちた思いである。浅草でたまたま観た映画「駅前怪談」が端緒となった。
文化というものはそういったものかもしれない。
触れてみて感じる感性というものが一番大事なのではないだろうか?
浅草という、かつて華やかなりし映画街に、いまだ現役である「浅草新劇場」という昭和そのものの遺産で、観た体験がぼくを後押しして、惹きつけてやまなかった。
建設中のNORBESA
クレーンの後ろに
観覧車が見える。
すすきの電停方面から(2005.10撮影)
TSUTAYAで借りてきた、この映画「社長忍法帳」のDVDを見ている。
札幌を舞台にして、森繁扮する社長が奔走するのだが、三木のり平が、駅前シリーズの伴淳のように、うまく絡んで見所を作っているのである。
この映画は面白い。
小難しい理屈はこねなくても、観ているだけで笑ってしまう。
この映画にも、フランキー堺(鹿児島市出身)は出演している。
最高なのは、彼の多芸振りである。
解説によれば、この前作では、薩摩隼人というそのままの役柄を演じたそうだ。その彼が、今度は、北海道人を見事に演じているのである。
すすきののバーで、酔っ払って、北海道弁でくだを巻くシーンなんか彼の真骨頂と思ってしまう。
さてさて
ぼくは、昔の大和撫子系女優が好きである。
星由里子、酒井和歌子なんていう名を聞いただけでドキドキしてしまうのであるが、ここへ新しく加わったのが、この映画に出てくる池内淳子である。
彼女の艶っぽさは、並大抵のものではないのだ。
あんな素敵な人が昔の映画界にはいたと思えば、映画の黄金時代と呼ばれるにふさわしいと納得してしまうのである。